更年期障害は怖くない!知っておきたい更年期症状と緩和する為の食事、生活のポイントを解説します

更年期の文字を鉛筆で書いた?





閉経を迎える前後10年間を更年期と呼びます。45歳を過ぎた頃から、仕事や家事をしていてなんだが調子が悪い気がするなど、体調の変化を感じた事はありませんか?

それは更年期によるものかもしれません。

 

更年期=悲しい事、嫌なものと感じてしまう方もいるかもしれませんが、更年期の症状を緩和する方法は実はたくさんあります。

 

更年期の不快な症状に悩んでいたり、これから更年期を迎える女性に知ってほしい、女性ホルモンを整えて更年期を快適に過ごすための食事や運動、睡眠の質を良くして更年期症状を緩和するポイントを管理栄養士がお伝えします。

 

この症状、もしかして更年期障害?

 

その人の生活環境やストレスの感じ方などの強弱はあるにせよ、更年期の女性の9割近くの女性が、何らかの不調を感じています。

 

女性は初潮から閉経までの約40年近く、女性の美と健康に大きく影響を与えてくれる「エストロゲン」というホルモンが卵巣から分泌されます。しかし、40代に入ると卵巣の機能が低下してエストロゲンの分泌量がバラつきながら減少していきます。

そのため疲れてしまった卵巣は30代の頃のようにスムーズにエストロゲンを出す事ができなくなり、ここでで生じる脳と卵巣の連絡のズレによって全身の自立神経がパニックを起こし、心身の不調となって更年期症状が現れるようになります。生理のイライラや頭痛の延長に更年期の症状が潜んでいる事も多くあります。

 

日頃から、このような症状はありませんか?気になる症状があれば、早めに婦人科を受診しましょう。

 

〇血管運動神経障症状

ほてり 冷え 動悸

 

〇精神症状

不安 イライラ 情緒不安定 不眠 やる気が出ない

 

〇泌尿生殖症状

尿もれ 頻尿 

 

〇その他

肩こり めまい 腰痛 頭痛

 

更年期症状と更年期障害の違い

混同されやすいのですが、更年期に起こる様々な症状を「更年期症状」と言います。更年期障害とは「仕事家事などの日常生活に支障をきたしてしまうほどの重いもの」を指します。

 

更年期のために病院を受診した方が良いかを判断する為に、症状のレベルを数値化できる更年期指数(SMI)というチェックシートもあります。

男性にも起こる?更年期障害

 

更年期障害は女性にだけ起こるものと思われがちですが、中高年男性にも更年期症状は現れます。男性ホルモンがゆるやかに減少して来ると同時に、なんとなく不調を感じる事があるなど、心当たりのある方は要注意かもしれません。

女性の更年期障害による経済損失は大きい

 

経済産業省によると、女性がフェムテックサービスの普及や活用により、更年期に関連した症状に関する知識が広まり、女性が適切な治療や対応をとることで更年期障害への適切な対応が増加した場合の経済効果は1年間で1.3兆円にのぼるとされています。

 

更年期障害による心身の不調が原因でキャリアアップを諦めたり、会社を辞めてしまうケースも多く存在します。女性にはぜひ、身体の変化を受け入れ、適切なセルフケアや治療を選択して欲しいと思います。

 

更年期症状を悪化させずに快適に過ごす為の食事と生活習慣のポイント

 

更年期に起こるあらゆる症状は日々の生活習慣の見直しで悪化を防ぐ事が可能です。

特に気を付けたいのは【食事バランス】【睡眠の質】【適度な運動】です。

 

【更年期を快適に過ごす為の食事のポイント】

 

ホルモンバランスをを整える基本は1日3食規則正しく食事をとる事です。忙しくて朝食抜きになってしまったり、ストレス発散に寝る前に甘い物を食べてしまったりと、不規則な食生活ホルモンバランスの乱れに直結します。

 

更年期の年代は代謝が落ちてきて太りやすくなったり、欠食で心身のバランスが崩れやすくなりますので、更年期に積極的に摂りたい以下に示す食品を増やすようにしましょう。

 

【大豆製品から生まれるエクオール】

 

大豆製品には女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをしてくれる大豆イソフラボン

という栄養素が含まれています。3種類ある大豆イソフラボンの1つであるダイゼンという

成分が腸内細菌によって分解され「エクオール」という成分になり、体内に吸収される事で女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをしてくれるという仕組みです。

 

大豆イソフラボンの1日の摂取目安量の上限値は70~75mg/日とされています。

 

納豆1パック(50g)で約37mg

豆腐1丁(300g)で約60mg

豆乳1パック(200㎖)で約50mg

きな粉大さじ1で約18mg

おから100gで約10mg

のイソフラボンを摂取する事が出来ますので、毎日飲んでいる牛乳を豆乳に変えてみる、

 

副菜に冷やっこをプラスしてみる、あんこ餅にきな粉をかけるなど、無理に料理をしなくても少しの工夫でイソフラボンの摂取量を増やす事ができます。

 

しかし、更年期症状の予防には大豆由来のエクオールを食べておけば大丈夫!と考えるのはちょっと待って下さい。

実はエクオールを腸内で産生できる人は日本人の22人に1人と言われているため、自分にエクオール産生能力があるかどうか、市販の検査キットや尿検査で調べる方が賢明でしょう。

 

エクオールを作れる人ほど更年期症状が軽いというデータもあります。エクオールを腸内で作り出せない方にはエクオールのサプリメントがありますので安心して下さい。

 

【症状別の対処法】

〇むくみ

夕方になると足のむくみがきつい、まぶたが腫れぼったいなど、むくみ症状が気になる

事はありませんか?

冷たい飲み物や甘い物の食べ過ぎは消化機能を妨げ、むくみの原因になるため注意しましょう。とうもろこしのひげ茶や黒豆には体内の余分な水分を排出してくれる利尿作用があり、むくみの改善が期待できます。

 

〇ホットフラッシュ

漢方の考え方でホットフラッシュは身体を潤すエネルギーが不足しているため、身体に必要な水分を補う事が有効であるとされています。豆乳には熱を冷まして身体に必要な水分を補う作用があるため、ホットフラッシュの改善にオススメです。

 

〇疲れ・だるさ

睡眠不足や無理なダイエットは体力を消耗し、ますます疲れやすい身体になってしまいます。筋肉の元になり、身体を温める作用の強い鶏肉を食事に取り入れましょう。骨付き肉を煮込んだスープは疲労回復に効果のあるアミノ酸を補給する事ができます。

【更年期の身体と心を整える運動のポイント】

 

国内や海外で更年期に効果があったとされる運動は「有酸素運動」で、3日坊主にならずに無理なく楽しく継続できる事が重要です。ウオーキングやヨガやサイクリング、ダンスなど1週間に3~4回続ける事が望ましいですが、1日30分からでも楽しいと思える運動を継続しましょう。水分補給を忘れずに、運動の前後にはストレッチを取り入れましょう。

 

無理の無い運動習慣がついてきたら、軽いダンベルなどを使っての筋トレやスクワットなども併用して行ってみましょう。筋肉が付く事で冷えが改善され、疲れにくい身体に変化して

行きます。骨の健康の為にも、積極的に日光を浴びるようにしましょう。

 

【その他の治療法】

〇ホルモン補充療法(HRT)

HRTは減少した女性ホルモンの不足を補って、心身の不調を改善する治療法です。

のぼせ、ほてり、ホットフラッシュの症状の改善、膣炎の改善、骨粗しょう症の予防に

効果があります。また、肌の潤いを保つなど、女性に嬉しい効果が期待できます。

 

更年期女性の睡眠障害にも効果がある事が多くの論文でも認められており、貼り薬や飲み薬などの選択が可能です。

 

〇漢方薬

更年期の症状は200種類以上あると言われており、漢方療法は生薬の組み合わせによって効果が発揮されるため、更年期の治療と相性が良いと言われています。

体格や症状にあわせて処方され、HRTとの併用も可能なので、更年期の気になる症状は内科や整形外科以外にも、婦人科で相談する選択肢を加えてみましょう。

 

【睡眠の質を高めて自立神経を整える方法】

更年期を境に増えてくる不調の一つに「不眠」があります。睡眠の質を高める事で更年期の様々な不調が軽快されます。

 

まずは朝起きる時間を一定にし、朝日を浴びる事で夜にきちんと眠くなるホルモンが放出されます。眠る前にスマホやパソコンの光を見ると脳が昼間の光だと勘違いし、寝つきが悪くなるので注意しましょう。夜間頻尿などでトイレに起きる際にも、できるだけ明るい電気をつけない方が寝つきが良くなります。

 

更年期以降に気を付けたい病気

エストロゲンの働きが低下する事で、更年期以降の女性がかかりやすい病気と予防法を知っておきましょう。

 

〇骨粗しょう症

エストロゲンの低下に深く関係する病気に骨そしょう症があります。エストロゲンの急激な減少に伴い骨量も低下して、骨がもろくなります。

 

将来の骨量の低下に備えて、日頃から骨の健康に関わる栄養素を摂りましょう。

 

カルシウム(チーズ、小松菜、小魚など)

ビタミンD(鮭、卵、きくらげ、キノコ類など)

ビタミンK(納豆、ブロッコリー、モロヘイヤ、海藻類など)

 

〇脂質異常症

閉経後のエストロゲンの欠乏により、今まで抑えてくれていたコレステロール値が急激に上昇しやすくなります。野菜や果物、豆類に含まれる食物繊維をしっかりととりましょう。

青魚に含まれるオメガ3系の油は中性脂肪を減らす期待ができる他、高たんぱく食材ですので、魚を食べる頻度を増やしてみましょう。

 

まとめ

 

いかがでしたか?更年期症状は早い方で35歳位から予備軍として発症する事もあります。

 

40代の女性は子どもの反抗期に向き合ったり、育児がひと段落して夫と二人の生活がスタートしたりと、大きな環境の変化を経験する世代と言えます。40代前半に出産をすれば、更年期で体力が落ちる中での育児が始まる方もいるでしょう。

 

食事、運動、睡眠の質を高めるセルフケアや病院の受診を怠らず、人生100年時代の折り返し地点を自分らしく楽しんで行きましょう。