乾燥する喉の痛み!を和らげる方法と食事について解説

マスクをして喉を押さえる女性





冬になると湿度が下がり喉が痛くなったり喉の調子が悪くなるといった経験はありませんか?

 

喉の痛みから風邪をひいてしまうケースもありますので、体調管理の基本となる食事をベースにしっかりと健康管理を行っていきましょう。喉を守る生活と食事のポイントや、簡単レシピについて管理栄養士がお話します。

 

喉の構造と役割

まずは喉とはどの部分を指すのか知ってますか?喉の構造や役割についてお話します。

 

喉の構造

喉には呼吸と嚥下(飲み込み)と発音という3つの役割があります。

 

喉は体内に空気を入れるスタート地点であり、「咽頭」と「喉頭」の2つの器官からできています。

 

咽頭は食べ物を飲み込む働きをしており、上咽頭、中咽頭、下咽頭の3つの部位に分かれています。鼻のつきあたりの部分が上咽頭で、吸った空気はここを通過して喉頭や気管へと送られます。

 

一方で、喉頭は咽頭と気管とを繋ぐ空気の通り道で、呼吸や発音といった機能を持っています。喉頭には食べ物が通る時に誤って気管へ入り込まないように蓋の役目をする咽頭蓋があります。また声帯は呼吸をするときに開き、食べ物を飲み込む時に閉じる仕組みになっており、食べ物が誤ってや気管へ入らないように防ぐものです。(誤嚥を防ぐ役割)

 

実は、喉はうま味を感じる機能にも関わっています。口の中には味蕾(みらい)という味を感じる感覚器があり、主に舌に分布していますが、そのうちの約25%は喉のエリアに存在し、うまみや脂肪酸に敏感という特徴があります。喉ごしやこくを感じ、複雑な味覚を生み出している可能性があるとされています。

 

免疫機能

口や鼻は食べ物や空気の通り道であるだけでなく、空気中に含まれるさまざまな細菌やウイルスが体の中に入る入口にあたる為、様々な防御機能が発達しています。

 

細胞の表面には波打つような突起の線毛という組織で覆われており、異物の侵入を防ぐ役割をし、この線毛を波打たせる動きによって、異物やゴミを体外に排出するのです。

 

また、舌のつけ根の両側にあるコブのようなリンパ組織は扁桃腺と呼ばれ、ウイルスや細菌などから体を守る免疫の役割を果たします。ホコリなどの異物やウイルスや細菌などの病原体を排除する役割をしますが、ウイルスなどが増えて扁桃腺が腫れると扁桃炎という疾患になり高熱が出る事があります。このように、喉は免疫に関しても重要な役割を果たしているのです。

喉が痛くなる原因と対処法

喉の痛みはできるだけ回避したいものです。

様々な原因から喉の痛みを感じますが、喉を守る為の対処法について解説します。

 

エアコンや冬の乾燥

室内の空気がエアコンで乾燥する事によって、朝起きた時に喉が痛くなったという経験はありませんか?

 

のどの粘膜は潤う事で外敵の侵入を防ぎます。乾燥により洗浄・殺菌作用のある唾液の量が減ってしまうと粘膜の働きが悪くなり細菌やウイルスがのどに付着して炎症を起こして痛みを感じる原因になります。乾燥による喉の痛みは一時的な場合もありますが、免疫が低下していると風邪や発熱に進行する事があるため注意が必要です。

 

喉の乾燥を防ぐには、室温と湿度に気を配る事が大切です。室温は20~25℃湿度は50~60%を保つようにしましょう。エアコンはタイマーにする、加湿器を使って部屋の湿度を上げておくなどの工夫をしましょう。

 

ウイルスや病原体

鼻や口はウイルスが最初に侵入する場所なので、ウイルスが体内に侵入するとそれに対抗しようとして炎症反応を起こし、炎症物資や痛みを促進する物質を生み出します。

 

炎症物質が神経を刺激し、血管を広げて血流を増加させる事で喉が腫れ、免疫機能が働いてのどが炎症を起こし痛みを感じるようになります。人混みへ外出した時や帰宅時など、喉がイガイガしたり乾燥が気になる時などは、家に帰ったら手洗い、うがいを忘れずに行いましょう。

 

うがいには口に水を含みブクブクして吐き出す「ブクブクうがい」と口に水を含み喉の奥まで届くように上を向き15秒程ガラガラしてから吐き出す「ガラガラうがい」の2種類があり、ブクブクうがいを1回行った後にガラガラうがいを2回行うとうがいの効果が期待できるとされています。手や喉に付着しているウイルスを洗い流す事は大切ですし、うがいをする事で喉を潤し細菌やウイルスを寄せ付けないメリットもあります。

 

喉が乾燥したと感じたらうがいをしたりこまめに水分補給をしましょう。

 

ストレス

不安やストレスを感じる時も喉の痛みや圧迫感、飲み込みにくさなどの違和感を感じる場合があります。ストレスを感じると、体はアドレナリンやコルチゾールといったホルモンを出してストレスに対抗しようとします。このストレスホルモンの働きが、喉の痛みや不快感などの問題を引き起こす可能性があると考えられているのです。

 

ストレスが落ち着くとこれらの症状は治まる傾向にありますが、放置していると慢性化しやすく症状が悪化してしまう場合もありますので違和感を感じたら早めに病院に行くようにしましょう。

 

喉への強い刺激

タバコに含まれる有害物質やお酒に含まれるアルコールも喉の痛みを引き起こす原因になります。タバコの煙には少なくとも200種類以上の有害物質が含まれており、特にタールは喉に対しても悪影響を及ぼし声帯の炎症を引き起こします。

 

喫煙で声がかすれるのはタバコに含まれるニコチンなどの有害物質が原因で喉頭や声帯の粘膜が常に炎症を起こしている状態になるためです。タバコを吸わない人にとっても悪影響が大きいので、喉の痛みや違和感を覚えたら喫煙を辞めてみるのも得策です。

 

また、飲酒をする際には大量のお酒や濃いお酒を控えるようにしましょう。あまり知られてないかもしれませんが、体内でアルコールを分解する為には大量の水が必要となるので、お酒を飲んだ夜中に喉が乾燥して炎症を引き起こす可能性が高くなります。お酒はほどほどに楽しみ、寝るとき前には必ず水分補給を行うようにしましょう。

 

喉が痛い時には辛い食べ物やカフェイン入りの飲料(コーヒーやエナジードリンク)、酸味の強い食べ物(レモン、酢、梅干しなど)は控えるようにしましょう。辛い食べ物や熱い飲みなどの強い刺激にさらされる事も喉が痛くなる原因になります。

 

喉の痛みを予防するためには加湿器や濡れたタオルなどで部屋を加湿する、市販の喉スプレーやトローチも上手に活用しましょう。

 

喉の痛みに試したい食べ物

喉を守る為に普段から意識して取り入れたい食べ物をご紹介します。

 

はちみつ

はちみつは殺菌作用が高く、雑菌によるのどの炎症を鎮めます。はちみつのとろみはのどが痛い時にものどを通りやすくしてくれます。保湿効果もあるため、喉を潤したい時にオススメです。糖分だけでなくミネラルやビタミン類も豊富な栄養食材ですので、お湯で溶かして飲んだり、ヨーグルトにかけるなど、手軽に利用できます。

 

大根

大根に含まれるジアスターゼという消化酵素には消炎作用があり、のどの粘膜に作用して喉の痛みを和らげる効果が期待できます。この酵素は熱に弱いため、生のものをおろして食べるのがおすすめです。大根は水分が豊富で、葉の部分にはカロテン、ビタミンC、カルシウム、食物繊維などがたっぷりと含まれているので風邪対策にも効果的です。

 

れんこん

れんこんは白い色からあまり栄養素が無いように思えますが、実は栄養の宝庫です。れんこんには抗炎症作用のあるタンニンという成分が含まれています。生のれんこんの絞り汁には気管支の炎症を鎮める効果があるのでのどが痛い時にははちみつ湯に加えて飲むと効果的です。

 

【ビタミンAは粘膜を守る栄養素】

ビタミンAは皮膚や粘膜の材料となる、健康維持には欠かす事のできないビタミンです。不足すると皮膚や粘膜が乾燥して弱くなり、感染症にかかりやすくなると言われています。ビタミンAは脂溶性ビタミンといって油に溶けて吸収される性質があるので、油と一緒に調理する事で体への吸収率が上がります。ビタミンAはうなぎ、レバー、かぼちゃ、にんじんなどに多く含まれています。

 

喉の痛みを予防する簡単優秀レシピ

喉が痛いときに重宝し、喉をケアする簡単レシピをご紹介します。

 

はちみつ大根おろし

【材料】(1人分)

・皮むき大根 5㎝程度

・はちみつ 大さじ1~2

・お湯   200㎖

 

【作り方】

①大根をすりおろす

②すりおろした大根にはちみつを加えてよく混ぜる。お好みで、ここにお湯を注いで

飲んでも美味しいです。

 

【栄養ポイント】

すごく簡単に作れるので冬の体調管理に重宝します。はちみつは喉の炎症を鎮めせきの軽減に役立つとされています。大根に含まれるイソチオシアネートという酵素は喉の痛みを抑える働きがあります。すりおろした大根は辛みがありますが、はちみつと合わせる事で食べやすくなります。

 

人参とオレンジのサラダ

【材料】(2人分)

・にんじん 1/2 本

・オレンジ 1個

〇プレーンヨーグルト 大さじ2

〇オリーブオイル 小さじ1

〇レモン汁 小さじ1

〇塩こしょう 少々

 

【作り方】

①にんじんはピーラーで縦に薄く削り、塩少々(分量外)をふってもみ、さっと水洗いして水けをよくふき取る

②オレンジは皮を薄皮ごとむき、ひと口大に切る

③〇の調味料を混ぜあわせ、①とオレンジの果肉を加えて混ぜる

 

【栄養ポイント】

先ほど記載したように、ビタミンAは粘膜を守る栄養素です。油で炒めたり、サラダにしてドレッシングと和えて食べるように工夫しましょう。オレンジに含まれるビタミンCは感染症予防や免疫アップの効果が期待できます。

 

まとめ

いかがでしたか?喉は外の空気が最初に触れる器官であるため、ウイルスや細菌などの病原体に感染しやすく、アレルギー反応をおこしやすい場所です。体の疲れは線毛運動の働きが弱まり異物の排出がされにくくなってしまう原因となるため、日頃から栄養、運動、睡眠の質を高めて健康を維持していきましょう。

 

もし喉が痛くなって食事が取りにくい場合も、早く回復するにはアルコールや香辛料の摂りすぎは避け、適切な栄養補給が大切です。今回ご紹介した食べ物やレシピを参考に、生活の質を高めていきましょう。

 

のどの不調は乾燥する季節には避けられないものですが、適切な対処で軽度で済む場合もあります。痛みが続く場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

 

執筆者プロフィール~日比野 真里奈~
管理栄養士/健康運動指導士

生活習慣病になる人を減らしたいという思いから管理栄養士を目指す。
病院や高齢者福祉施設で栄養指導や栄養ケアマネジメントの経験を積み、現在は離乳食、食育、
生活習慣病予防、女性の健康の分野で食事から健康をサポートする仕事に従事している