女性が安心して社会で活躍するために考えたいポイント

新聞とカレンダーと産休と育休





日本の合計特殊出生率はコロナ禍も相まって、最新の数字は1.26と、統計開始以来初の80万人割れとなり、日本の労働人口不足に更に拍車がかかると予想されます。

女性が離職せずに働き続ける事は1つの企業にとってはもちろん社会全体にとっても追い風になります。そこで、このコラムでは社会が目指す理想像と、実際に女性が抱える働く事への壁を深堀りします。

 

女性が企業で活躍できない?!正社員で働く事を諦める理由とは

 

正規雇用で入社した多くの女性が、出産や妊娠をきっかけに退職し、パートや派遣社員、フリーランス等に転向しています。なぜ、女性は正社員の道を諦めてしまうのでしょうか?

 

【女性の離職理由は仕事と育児の両立の不安】

 

1999年には56.4%だった女性の育児休暇取得率は2016年には81.8%まで増加しています。

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/17/backdata/02-01-08-01.html

 

参考:厚生労働省HP

 

女性が第一子出産後に仕事を辞めた理由として多かったのは、

 

「子育てをしながら仕事を続けるのが大変だったから」

「子育てに専念したかったから」

「自分の体や子どもとの生活を大事にしたいと考えたから」

「子どもの体調不良時に休むことが多かった」

 

などです。子育てや自分の身体を大切にしたいといった気持ちが大きい中、家事や育児の家族からのサポートが不十分だった事も大きな理由として挙げられています。

子どもは急に熱を出す事は稀ではありません。しかしながら、育児をしながら働くお母さんは配偶者に頼り続ける事も難しく、一人で抱え込んでしまうという現状も多く見られます。

 

そして、仕事を休む日数が多くなると自分ばかり休んでしまって申し訳ないと心を傷める母親も少なくありません。

 

【女性の管理職が少ないため目標とするイメージを描き難い】

同じ年に入社したとしても、管理職に就きやすいのは依然男性の方です。女性は妊娠や出産により職場から距離ができる期間が長くなり、産休明けに復帰をしても「子どもがいなかった頃のようにやっていけるのか」と不安になりやすいです。

 

これから女性の管理職の数が多くなり、社会で活躍する女性が増える、女性の社員は将来のライフイベントを描きやすく、仕事の見通しも立ちやすいと言えます。働く女性にとって、「私も目指してみよう、頑張ろう」と前向きな気持ちで働いてもらえる事は、会社にとってもメリットが大きいはずです。

これからの日本には女性の活躍が不可欠

労働力不足の解消が早急の課題である日本では、女性の活躍が注目されています。

しかしながら、女性には妊娠、出産という特有のライフイベントがあり、ここでの

離職を防ぐ事が企業の努力の見せ所になります。

 

【女性活躍推進法が制定された目的】

男女の性別に関わらず訪れる人生のライフイベントに対応するのは女性が主になり、その結果女性だけが再就職やキャリアアップの点で不利になる場合、働く女性の能力が十分に発揮できる環境ではないと言えます。

 

そこで制定されたのが、女性活躍推進法です。女性活躍推進法とは、女性が活躍できる場を充実させ女性の活躍を目指し、仕事と生活が両立できる体制作りを企業に求めた法律です。

 

働く女性の能力を高めつつ、継続して就労できる社会を作る事を目的に日本で2016年に制定されました。出産に伴う離職を余儀なくされたり、女性だから昇進の面で不利益が出るなどの不公平な慣習を是正して行こうという背景があります。

 

企業の女性活躍の課題にそった行動計画を策定し、その内容について企業内へ周知したり外部へ公表する事が必要です。

 

また、女性の活躍を推進している企業を認定する「えるぼし認定」という制度も生まれました。

女性が活躍できる!働きやすい会社の選び方

女性は結婚、出産、育児、介護といったライフイベントをきっかけに、今までと同じような働き方ができなくなり、仕事内容を変更されたりとストレスを抱えながら仕事をしているといったケースも少なくありません。育児と仕事を両立させる為にはサポートや理解があり、女性にとって働きやすい会社かどうかが重要なポイントになってきます。

 

【女性が働きやすい会社のポイントはここを見よう】

 

①育児経験のある女性職員や役員がいる

実際に出産や育児を経験しながら働いている女性社員がいる事は、これから子どもを持ちたいと考える既婚女性の強い味方になってくれます。子どもが小さなうちは急に熱を出したり保育園から呼び出されたりと、イレギュラー対応は母親が担うケースが多いかと思います。

 

そんな時に、育児経験のある女性が多い職場だとお互い様の精神でストレス無く早退させてもらえたりと安心して育児に取り組めるようになります。逆に言うと、頻繁に子育てに支障が出て、それを指摘されてしまう会社は選ぶ事が難しいです。

HPで福利厚生や社員について確認したり、面接の際に、ママとして働いている人がどれくらいいるかなどを質問するとよいでしょう。

 

②女性がキャリアを積める制度が充実している

女性は妊娠、出産などのライフイベントにより会社を離れる期間がある為、男性に比べて責任ある仕事を任されずキャリアアップが難しい傾向にあります。女性が無理なくキャリアアップできる研修制度やリモートワークの普及など、柔軟な働き方が求められます。

 

③チームで仕事ができる

個人に負担の大きい仕事だと、仕事に穴をあけてしまう事になるため育児中のイレギュラーや体調不良時に休みにくくなってしまいます。これからは男性が育児休暇を取りやすくする為にもチームで仕事内容を共有し、カバーし合える職場かどうか、採用担当者へ質問してみましょう。

 

残業を強いられる会社は子どもの延長保育料金がかかってしまったり体力的にハードになってしまったりと、長い期間勤務する事が難しくなります。定時を前提に仕事が終わるのかどうかもチェックしましょう。

 

また、業種によっても働きやすさが変わる場合もあります。チームでカバーしやすい職種を選ぶのも、女性が働きやすい仕事選びに繋がるでしょう。

 

④育児をする為の制度が充実している

まずは育児休業制度をはじめ、時短勤務などの子育てをサポートしてくれる制度が整っているかをチェックするようにしましょう。時短勤務が可能なのは3歳までなのか、6歳までなのか、看病休暇はとれるのか、会社によっても変わってきます。制度があるだけで取得者がいないと使いにくいものになってしまいますので、取得率なども確認するようにしましょう。

⑤女性が働きやすい会社は男性も働きやすい

子育てをしている女性が残業をできなくなると、男性社員に仕事が回ってくる場合が多くなり不満が起きる可能性があります。しかし、上記に示したポイントを網羅している会社は男性社員も働きやすい職場と言えます。

【自分が仕事に対する重要ポイントを再確認する】

夢を叶えるため、家計を支えるため、誰かの役に立つことによって生きがいになったり自己肯定感が上がる女性は多いはずです。現在所属している企業は女性の活躍を後押ししてくれるのか、柔軟な働き方に対応しているのかを確認してみましょう。

 

子育てに重きを置いて働く、または自分のキャリアを磨きたいなど、仕事に何を求めるのかを明確にしていく事が大切です。企業側はそうした現状を把握して、個々にヒアリングをし、従業員が希望とする働き方を実現する必要があります。そうすることが会社全体のイメージアップに繋がって行くでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

妊娠、出産は女性にしか担えない事ですが、「子育てをしながら働く」事は男女どちらにとっても重要な事です。女性が育児しながら働ける環境であるかどうか、男性も会社の制度などを利用できるのか、ぜひ確認してほしいと思います。