肩こりの原因とは?原因を知ってPC作業を楽する

パソコンから出た親指





つらい肩こり、ひどい症状の場合は片頭痛や指先のしびれまで併発してしまうことがあり、あなたも身に覚えがあるかも知れません。

二足歩行の我々人間は、その構造上、首や肩こり・腰痛をどうしても引き起こしてしまいます。今回は、人類と長い付き合いである肩こりの原因を知って、PC作業を楽にする方法を探していきましょう。

 

肩こりはなぜ起こる? 

二足歩行は首や腰に多大な負担をかけています。通常営業でも無理をしている姿勢の我々人間は、さらに「オフィスワーク」「ストレス」「睡眠不足」など、さらに体を酷使する毎日。

男性も女性も、肩こりと無縁の生き方はほぼ不可能と言っても間違いではないでしょう。しかしなぜ、こんなにも肩こりが起こるのでしょうか。

 

肩こりには原因が、ない!?

技術の優れたマッサージ師やセラピストに「肩こりってなぜ起こるのですか?」と質問すれば、恐らく明確な答えは返ってこないでしょう。「肩こり」とされるものは「これが原因です」と明確にいうことができないのです。

たとえば、血液中に「尿酸」が一定量以上増加すると、それが原因で痛風は発症します。これは原因が明らかな症例です。しかしながら、肩こりは「血中にこの原因物質が貯まったからですよ」とか「ピロリ菌が原因ですよ」など、特定ができません。

 

逆に言えば、原因がない=原因が万とある、とも言い換えることもできます。

よくある事例としては、マットレスが柔らかすぎたり枕が高すぎたりといった寝具が体に合っていない場合、ヒールを日常的に履いている場合、眠る直前までスマホをチェックしている場合、などがあります。

しかしこれらは人によって肩こりを誘発する場合もしない場合もあり、原因と考えられる1つに過ぎないのです。

その万とある原因のうち、PC作業に関係し得る原因として考えられるものをみていきましょう。オフィスでできる改善ポイントもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

 

血行不良

肩や首周辺の血行が悪くなることで、肩こりを誘発します。長時間同じ姿勢でいることが多いオフィスワークでは、首や肩の負担に加えて腰の疲れ、人によっては足を組むことで姿勢に歪みが出て血行が悪くなります。中学生や高校生の受験期に肩こりを感じる場合も長時間同じ姿勢であることが原因となるケースも多いでしょう。

人間の頭はよくボーリングの玉と例えられることがあるのですが、あの重い玉を私たちの細い首は支えています。ただでさえ負担のかかる構造である上、PC作業の場合は少し首や顎を突き出す姿勢が多くなります。この「無理な姿勢」が長時間続くことで、血行が悪くなり肩こりへと繋がっていくのです。

 改善ポイント!

定期的に体を動かすことがとても大切です。肩凝りを感じたとき、多くの方が早めのスピードで首をぐるぐる回すのですが、この方法は肩こりの解消にあまり役立ちません。

まず、左右どちらかに首をかしげて、10秒キープ。そこからゆっくりと、自分の頭の重さを利用して下を向きます。目線は自分のおへそを見るように。そこでも10秒キープし、今度は右へ首をかしげて10秒キープ。ポイントは首から肩にかけての筋肉や、首の後ろ側の筋肉がじっくりと伸びているのを感じることです。

これの動作を「ゆっくり」と行うことで、首・肩まわりのストレッチと、血行改善へと繋がります。

 

眼精疲労 

現代人は、パソコン、タブレット、スマーフとフォンといった、目の疲れを誘発するデバイスに囲まれて生活しています。そのいずれも、長時間使うことが多く「目が疲れないようにしましょう」という方が無理難題かも知れません。

目の疲れは自律神経の乱れを誘発します。自律神経の乱れは肩こりの原因となるだけではなく、不眠や精神的な落ち込み、生理不順などへも繋がっていく厄介なものです。

眼鏡やコンタクトレンズの度数が合わないまま使用し続けている方は、それが肩こりの原因にもなりますので眼科での検診を心掛けましょう。

 

 

改善ポイント!

「まばたき」をしているつもりでも、実は目の周りの筋肉(眼輪筋)が硬くなっていて目がしっかりと閉じられていない可能性があります。

これでは、涙の量が不十分でドライアイになり、慢性的な眼精疲労へと繋がりかねません。

目の疲れを取るために、目玉をゆっくりと上下左右に動かし、意識的にしっかりと目を閉じて長めの瞬きを数回取り入れましょう。

 

ストレス 

先述の自律神経の乱れに強力な加担をするのがストレスです。精神的なストレスが高まると血管が収縮し、交感神経優位になり、その状態が続けば続くほど、血流は滞ってしまいます。

なおかつ、リラックスをしていないとき、人は呼吸が浅くなります。呼吸が浅いということは体内に十分な酸素を供給できていない状態です。

この状況下では、無意識に何度も呼吸をしようと体が動くため、呼吸数が多くなります。すると呼吸を手助けしている様々な筋肉、たとえば胸鎖乳突筋、大胸筋などいわゆる「呼吸補助筋」が、呼吸補助筋の活動が増えることで疲労してしまう=肩こりの誘発へと繋がるのです。

意識的に深い呼吸をすることを心掛けましょう。

改善ポイント

「深い呼吸をしてください」と伝えると、多くの方が「吸う」ことに注力します。ですが試しに今、「吐く」ことに集中してみてください。口をすぼめてゆっくりと、体内の酸素を全て出し切るイメージです。すると、解放された後、体は自然と最大限に酸素を取り入れようとするはずです。

プレゼン前や大事な商談前、長時間のPC作業で緊張が続いているとき、この呼吸法を思い出して体を新鮮な酸素で満たしましょう。

 

肩こりは温める?冷やす? 

オフィスに1日中いると、体が冷え切ってしまい肩こりが取れないという方は少なくありません。打撲や外傷といった痛みではない慢性的な肩こりに対しては、患部を温めて血行を良くすると改善されやすくなります。とくに慢性的に冷え性の人は、首・肩周りを冷やさないようにするのは 鉄則です。

また、タイトで締め付けの強い服装も血行が悪くなりやすいので、オフィスでの温度調整が難しい方は締め付けがあまりない服装を心掛けてみてください。

とは言え、PC作業中に肩からストールをかけて仕事をするのも少し邪魔に感じることでしょう。そのような場合は、無関係に思えますがレッグウォーマーの使用をお勧めいたします。

 

なぜふくらはぎを温めると肩こり改善になるのか 

ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、ふくらはぎの筋肉が収縮することで足にたまった血液を心臓に戻す大事な機能を持っています。しかし1日中座り作業をしていると、ふくらはぎの筋肉疲労で血流が滞ってしまい、体中の血のめぐりが悪くなってしまうのです。

ふくらはぎを温めることで脚全体の血流の改善、血流の改善から自律神経の乱れの改善などが期待でき、相乗効果として肩こりの改善へと繋がります。 

 

肩こりに間違えやすい症状

肩こりと似た症状に「寝違え」があります。この寝違えと肩凝りとを同じように考えている人も多いのですが、この2つは全く別のものです。

寝違えは、睡眠中の無理な姿勢が続くことで患部が炎症を起こしている状態です。この状態ではまず冷やすことが選択肢になります。10分程度冷やした後はできるだけ安静にし、痛みが引いてから温めるようにしましょう。

また、四十肩や五十肩といった「年齢肩」に関しても、アプローチは変わってきます。「冷やす」「温める」の2択であれば温めるという選択肢になりますが、ただしこれは「本当に年齢肩であって患部周辺に熱がこもっていない場合」です。

年齢型には似た症状として「鍵盤断裂」があり、年齢肩と非常に似ているため「いずれ治るだろう」と放置する人が少なくありません。

しかし鍵盤断裂の場合「断裂」ですからセルフケアで完治するものではなく、専門医の治療が必要になります。

いずれの症状も、炎症を伴う痛みが出たらまずは冷やして、2週間経っても症状が改善されない場合は必ず医療機関での受診をしましょう。

 

原因と対策を知って脱慢性肩こり!

現代社会で肩こりと無縁な生活を送ることはまず難しいでしょう。ですが原因を知れば対策を練ることは可能です。

まずは、エアコンや冷たい飲み物で体が冷えないようにすること、締め付けの多い服で血行を悪くしないこと、適度に体を動かしてストレスケアをすることなど、簡単なことから取り入れてみましょう。

また、普段どういう状態でPC作業を行っているか見直すことも大切です。極端に高さの合っていない椅子に座っていないか、首が前に出すぎていないかなど、普段の姿勢も気にしてみてくださいね。