最も病気になりにくい体重を知っていますか?標準体重を理解して健康を手に入れよう

ノートに書かれたDietPlan!!の文字





あなたの体重は10年前と比べて変化していますか?太ってしまった、痩せてしまったなど、体重の大幅な増減は病気のリスクを高めてしまいます。

 

健康の為には適切な体重管理が必要となります。BMIが高めと診断されてこれから減量をスタートする方や、近年話題になっている女性の痩せを予防する方法について、管理栄養士がお伝えします。

 

標準体重って何?生活習慣病の予防にBMIを調べよう

標準体重とは統計上、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病に最もなりにくいと言われている根拠のある数字であり、BMIが22となる体重の事です。

 

BMIは国際的な体格指数であり、世界共通です。しかし、日本の肥満度の判定基準は日本肥満学会によって以下のように定められています。

 

・BMI18.5未満 痩せ

・BMI18.5以上25未満 標準

・BMI25以上30未満 肥満

・BMI30以上  高度肥満

 

BMIを活用すると、自分の体格が低体重、普通、肥満のどこに区分されるのかを簡単に知る事ができます。BMIが25を超えると肥満と判定され、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの合併症が発症する危険性が高まるため減量して標準体重に近づける必要があります。

 

【BMIの計算式の求め方】

BMI=体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)

 

身長が170㎝、体重が80㎏の方の場合のBMIは1.7×1.7=2.89

80÷2.89=27.68となり、BMIは27.68(肥満)という事が分かります。

 

【標準体重の求め方】

BMIが22になるときの体重(標準体重)を求めてみましょう。

 

◎標準体重

身長が165㎝の人の場合

【身長(m)×身長(m)×22】 ⇒  1.65×1.65×22×=59.89㎏

 

このように、身長が165㎝の人の標準体重は59.9㎏である事がわかります。

健康的な生活の為の目標値としてBMIを知っておきましょう。

 

【標準体重を目指す為に今日からできる事】

標準体重を目指す為とは言え、1日1食などの無理な減量方法は長続きしませんし、身体を壊す原因になります。食事や生活習慣の例を参考にして自分が取り組みやすい所からスタートしましょう。

 

①減量の為の食事の工夫

体重が増加して肥満傾向にある人の特徴は、腹8分目以上食べ過ぎてしまっているカロリーオーバーが原因である事がほとんどです。

 

まずは1日3食の食事をできるだけ同じ時間にとるようにしましょう。

 

付き合いで居酒屋に行く機会が多い場合、お酒と一緒に注文するおつまみはヘルシーな物を選ぶようにしましょう。お魚は低脂肪でダイエットに向いている上、に青魚には中性脂肪やコレステロール値を下げる良質なDHAやEPAが豊富に含まれている為生活習慣病の予防にも役立ちます。枝豆や豆腐サラダなどもオススメです。

また、噛む回数が少ない事も肥満の原因になってしまいます。「よく噛む」事は胃での消化活動の負担を減らしてくれる利点もあります。食事はリラックスをしてゆっくり味わいましょう。

 

②減塩を心がける

塩分の多い食事は自然と美味しく感じますが、食事量が多くなってしまう原因になります。また、長期的なリスクとしては高血圧や心臓病といった病気に発展する危険性もあります。

 

外食やコンビニのお弁当を食べる機会の多い方は塩分の摂取量が増えてしまう可能性がありますので、お弁当に付属されている漬物や付属のタレは残すようにし、家庭での食事は生野生をたっぷり食べるようにするなど、薄味を心がけるようにしましょう。

 

③体重計に乗る習慣をつける

減量をスタートしたら、まず最初に体重計を購入しましょう。毎日乗るのは面倒という方は、2日に1回でもかまいません。現在はスマホアプリなどで簡単にグラフ化が出来て体重の増減を管理できるのでオススメです。

④睡眠不足はダイエットの敵

睡眠時間が短いと肥満になりやすいと言われています。睡眠時間が短くなると、食欲抑制ホルモンであるレプチンというホルモンの分泌が低下し、グレリンという食欲増進ホルモンの分泌が増加する事が分かっています。睡眠不足の際にはケーキやパンなどの炭水化物や塩気のあるものが食べたくなる傾向があり、睡眠不足が続く事は肥満体質に近づいてしまうのです。

 

疲労回復や肥満予防の観点からも、最低でも6時間は眠るようにしましょう。

 

⑤適度な運動を心がける

内臓脂肪は皮下脂肪と異なり、エネルギー源として利用されやすいという特徴があります。運動によって消費するエネルギーを増やす事で内臓脂肪が利用され、確実に体重を減らす事が出来ます。

 

更に嬉しい事に、運動をする事で筋肉がつくので、脂肪を燃焼させてエネルギー消費が上がり、太りにくい身体を手に入れる事にも繋がるのです。ウォーキングは運動初心者にもオススメです。毎日行えなくても週に3回ほど、1日20分歩くだけでも効果があります。

運動習慣を持つ事が難しい方は、毎日の行動から消費エネルギーを増やすようにしましょう。

 

・エレベーターよりも階段を探して上るようにする

・シャワー浴から湯舟の入浴にする

・帰り道に1駅ぶん歩いて帰る

・電車やバスの中では立つようにする

 

女性の標準体重はやせがないか注意

日本では20代の女性のうち、約5人に1人がBMI18.5未満のやせである事が分かっており、これは世界的に見ても高い数値です。しかも、その状態は20年以上も続いています。

 

【女性の標準体重】

「自分は太っている」と思い込み、無理なダイエットが引き金で起こる不調に悩む女性は多くいます。食べる量が少ない事から起こる「なんとなく不調」には以下のような症状があります。

 

・冷えを感じる/低体温である

・仕事に集中できない

・お肌や髪の調子が悪い

・風邪をひきやすい

・疲れやすい

 

最悪の場合はエネルギー不足から女性ホルモンの分泌に影響が及び、生理が止まってしまう事例もあります。

 

痩せた女性の場合、いきなり標準体重を目指すのは大変な方もいるでしょう。そんな時はBMIを19にする事から目標にして行きましょう。

 

女性のシンデレラ体重について、詳しくはこちらのコラムからお読み頂けます。

シンデレラ体重って何?痩せすぎがもたらすリスクを考える

 

【無理なダイエットよりも美味しく食べて長続きする健康的な食べるダイエットを】

ダイエットの目的は見た目がガリガリな身体になる事ではなく、女性らしい健康的な身体を維持していく為に行う物です。女性らしい身体作りには、適度な筋肉がある事や女性に不足しやすい鉄分の補給が欠かせません。女性に適したダイエット法を以下にまとめました。

 

①〇〇抜きダイエットをやめる

自己流のダイエットは健康を害する元になる事を理解しておきましょう。例えば炭水化物抜きダイエットなど、特定の食べ物を抜くダイエット法ですぐに数キロ痩せたとしても、それが一生続けられるダイエットでなければ正しいダイエットではありません。

 

無理なダイエットを続ける事でエネルギーが不足すると筋肉がなくなりたるんだ印象の身体になります。また代謝が低下して太りやすい身体になってしまったり、肌荒れや胸から痩せていくなどの弊害があります。

 

油に至ってもダイエットの敵では無く、女性ホルモンの原料になる大切な栄養素です。フライドポテトのような酸化した油ではなく、新鮮なオリーブオイルを選ぶようにしましょう。また、カロリーが同じならばごはんの代わりに甘いケーキやドリンクを選ぶという考え方も危険です。

 

②肉や魚を食べる

お肉は太るから食べないでおこう、といった考え方はNGです。タンパク質は肌や内臓や髪の毛を作る基礎の栄養素ですので、良質なタンパク質を摂る事がメリハリのある身体を作ります。また、健康的なダイエットに繋がると共に将来のサルコペニア(要介護に繋がる筋肉減少症)の予防にも大いに役立ちます。

 

毎食片手に乗る量(目様焼き1個、納豆1パック、焼き魚1切れなど)のタンパク質を意識してとりましょう。

 

③腸内環境を整えて便秘を改善する

腸内環境は加齢に伴い悪くなって行きますが、女性はダイエットによって便秘体質になりがちです。食事量が少ないと便のカサが減るため余計に便秘に悩まされる事になります。便秘によって生まれた毒素は血液に取り込まれて全身を巡る事で肌荒れや冷えなどの不調を招く事になるのです。

 

便秘の予防には食べ物から多くの食物繊維を摂り、腸内環境を改善する事が大切です。便を柔らかくして出しやすくする水溶性食物繊維(海藻、フルーツ、アボカド、なめこなど)や大腸を刺激して腸の蠕動運動を促す働きのある不溶性食物繊維(納豆、イモ類、きのこ類など)を意識して毎日の食事に取り入れましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?肥満は健康に良くないイメージが根強いかと思いますが、痩せにも健康リスクは潜んでいます。まずは自分のBMIと標準体重を知る事からスタートし、食事や生活習慣を改善していきましょう。