福利厚生も多様性の時代!カフェテリアプランのメリットとデメリットを考察!

福利厚生





福利厚生の充実は、健康経営にとってとても重要な役割を果たします。従来型の画一的な福利厚生の枠を超え、個人のニーズに直結できる「カフェテリアプラン」。名称は聞いたことがあるけれども中身はわからない、という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、カフェテリアプランとは何かという基礎的な部分から、運用の注意点に至るまで、細かく解説していきます。

 

カフェテリアプランとは何ですか?

カフェテリアプランは、従業員に対して提供する複数の福利厚生のメニューを、自分の好みやニーズに合わせて選択してもらう制度です。従来の福利厚生制度と異なり、従業員は企業が提供する定められた選択肢の中から、健康サービスやレジャー関連などを個人の優先度に合わせて自由に選択することが可能です。

個々のニーズやライフスタイルに合わせた「自分だけの」福利厚生を提供できるため、従業員の満足度やモチベーションの向上につながるとされています。

 

カフェテリアプランはどんな仕組み?

「カフェでメニュー選ぶように、自由に福利厚生を選ぶ」このイメージがぴったりと合致するように、カフェテリアプランは個人のニーズに合わせて福利厚生を選択できます。

企業は従業員に対して「メニュー」である数々の福利厚生を提供し、従業員はメニューの中からチョイスし、「ポイント」を使用して福利厚生を利用します。

企業によって年間どれくらいのポイントを付与するかは変わりますが、従業員は付与されたポイントを使い、専用サイトからメニューを選択、申請します。

ポイント不足の場合は、差額を現金やカードで支払って利用することも可能です。

 

パッケージプランとの違いは?

福利厚生のアウトソーシングには「パッケージプラン」もあります。カフェテリアプランとパッケージプランの違いは、従業員に提供される福利厚生の選択方法です。

パッケージプランは、あらかじめ選定されたメニューによる福利厚生パッケージで、従業員はそのパッケージに含まれるサービスを利用することが可能です。

メリットとしては、幅広い項目を迅速に充実させることが可能な点です。しかし、メニュー内容はすでに決まっているため、従業員個々のニーズに当てはまるとは断言できなくなります。

一方カフェテリアプランでは、従業員は提供された福利厚生の中から、自分のニーズや状況に応じて自由に選択します。レジャー関連のプラン、教育支援などの多岐にわたる選択肢の中から、従業員は複数を自らの意思で選択します。

カフェテリアプランは柔軟性が高いため、従業員の個々のニーズに合わせた福利厚生の選択が可能です。

 

どんな企業がカフェテリアプランにむいている?

カフェテリアプランは従業員にとって魅力的な福利厚生ですので、導入を検討する企業も多いのですが、実際に提供するとしても自分の会社に向いているのかいないのか、知りたいところですよね。カフェテリアプランはどんな企業向けなのかをご説明します。

 

多様な従業員層に対応したい

カフェテリアプランの最大の魅力は、従業員が個人のニーズに合わせてメニューを選択できることです。この魅力を最大に活かすには、従業員のニーズがさまざまであること。すなわち、従業員のライフスタイルが多様な企業にとって、カフェテリアプランは特に有益だと言えます。

たとえば、若手社員とシニア社員では「健康」を1つ取ってもニーズが異なります。家族構成の多様性、働き方の多様性など、ライフスタイルや働き方が多様であればあるほど、さまざまな選択肢を提供することで各々に合った福利厚生を選択することが可能になり、包括的な従業員のモチベーションアップへと繋がることでしょう。

 

従業員の満足度とモチベーションを上げたい

従業員の満足度やモチベーションアップをしたい企業にとって、カフェテリアプランはその起爆剤となり得る期待ができます。

あえて「心理学」の側面からカフェテリアプランと従業員のモチベーションアップとの関連性を読み解くならば、福利厚生を「自由に選択できる」ことは人間の「自由の欲求」を満たす行為になります。

自由の欲求とは、自分自身の考えや感情のままに自由に行動し、物事を選択・決断したいという欲求です。

カフェテリアプランに心理学的アプローチ?と怪訝に思うかも知れませんが、従業員の心理(メンタル)を満たすことは、モチベ―ションの維持はもちろん、離職回避へと繋がり得る重要な因子です。

従業員の満足度は「報酬・仕事内容・職場環境」などにおいて「どれだけ満足できているか」が指数の焦点となります。個人のニーズが満たされることで、企業への愛着が生まれ、自発的に貢献したくなる従業員エンゲージメントの高まりも期待できるでしょう。

従業員エンゲージメントについてはこちらで詳しく解説していますので、併せてご一読ください。


従業員エンゲージメントとは?混同しやすいワークエンゲージメントとの違いも解説

 

 

離職率を下げたい

一般的に、福利厚生の充実は離職率を下げると言われています。しかし先ほど少し触れたように、年齢やライフスタイル・ライフステージの変化によって「何があると嬉しいのか」は変わってきます。

ある民間の転職サイトが行った「福利厚生のうちどのような制度があれば嬉しいのか」といった内容のアンケートによると、医療関係や災害見舞金などといったい内容から自己啓発も含め様々な回答が見られ、その中にカフェテリアプランといった回答も複数なされています。

いかなる業界でも人手不足が叫ばれている今、従業員の定着率はどの企業も直面している課題でしょう。福利厚生が定着率を上げる可能性を高めるなら、カフェテリアプランは魅力的なソリューションではないでしょうか。

 

カフェテリアプランのメリット

個人のニーズに応えることができるカフェテリアプラン。従業員にとってプラスが多いのは明らかですが、では提供する企業にとって、どんなメリットがあるのでしょうか。

 

従業員エンゲージメントを高める

カフェテリアプランはニーズや好みに合わせた福利厚生の選択を可能にするため、従業員が自分自身や家族の状況に合ったサポートを受けられるようになります。ライフステージの変化に合わせ柔軟に変化させて福利厚生を選択できるため、従業員にとって「本当に価値のある」福利厚生を提供することができるのです。

従業員はカフェテリアプランを通じて、企業が自分たちの幸福、健康に真剣に取り組んでいると感じ、会社により強い愛着が感じられ、信頼関係が生まれるでしょう。

このように生まれた信頼は、従業員と企業との関係を強化する効果も持ちます。人生の大きな選択である職場が、自分の人生を良く築くパートナーであると感じ、組織の目標達成に積極的に貢献することも期待できます。

カフェテリアプランで個別化されたサポートと自己決定の機会は、従業員のエンゲージメントを高める効果があるのです。

 

多様性の促進

カフェテリアプランは従業員が自分のニーズや状況に合った福利厚生を選択できるため、多様な人々がそれぞれ異なる選択肢を選ぶことができます。たとえば、若い従業員はレジャーを重視してオンとオフの切り替えを楽しんだり、家族を持つ従業員は子育て支援に価値を見出すことがあります。

個々のニーズや優先順位に合わせて福利厚生を選択できるため、異なる人々の多様性を尊重し、包括的なサポートを提供することが可能です。

 

従業員の選択できるオプションが増えることで、性別、年齢、文化的背景、家族構成などに応じた多様なニーズに対応できるため、企業が「多様性への理解」を示している表れにもなります。

全従業員の多様性を考慮した福利厚生制度を構築することは、分け隔てなく活躍できる職場環境を提供することとなるのです。

 

福利厚生の公平感を維持できる 

パッケージ型の福利厚生制度は、メニューは充実しているものの、住んでいる地域やライフステージによっては選択肢が狭まる可能性があります。

一方カフェテリアプランは従業員の個々のニーズや好みに合わせて福利厚生を提供するため、公平な待遇感を高めるだけでなく、従業員間の不均等な福利厚生の差異を縮小する効果もあります。

組織内での不公平感や不満の軽減につながり、結果として従業員のモチベーションや満足度の向上につながるとされています。

 

予算管理しやすい

カフェテリアプランは付与されたポイントを使用します。そのポイントは、一年に一度、従業員に付与するので、一人当たりのポイントと従業員数とをかけ合わせれば、福利厚生費の予算立てがしやすくなるというメリットがあります。

 

カフェテリアプランのデメリット

良い事づくしのカフェテリアプランのように思えますが、もちろん、運用には気を付けなければならない点などもあります。ここからはデメリットについてみていきましょう。

情報過多

カフェテリアプラン最大の魅力である「選択肢の自由」は、選択肢が多岐にわたるため、従業員自身がそれぞれのオプションについて理解を深める必要が出てきます。これが従業員にとって「情報過多」を引き起こし、混乱や不確実性を生む可能性があるのです。

たとえばレジャーなどはわかりやすいので、比較的簡単に内容の理解ができるでしょう。しかし、住宅補助や医療費補助など、利点はあるものの制限や費用、適格条件などの情報は多岐にわたり、ガイダンスがないと理解するのが難しい場合があります。

また、法律や規制の変更によって利用条件等が変化することがあり、楽しいはずの意思決定が負担となる可能性は否定できません。

カフェテリアプランを導入するのであれば、企業は従業員が情報を理解しやすくするための適切な情報提供やセミナーを実施することが重要です。

 

手間とコストがかかる

カフェテリアプランの導入や運営にはどうしてもコストがかかります。ポイントの管理システムを構築したり、従業員への情報提供やセミナーといった人手やコストは避けられないものです。

カフェテリアプランのメニューはポイントを利用しますが、そのポイント×従業員数は必ず必要な原資となります。

当然ですが、付与ポイントが少なければ選べるメニューも少なくなるため、従業員にとって魅力的な選択肢となるかどうかは疑問となってしまうのです。

経団連が行った第64回福利厚生費調査結果報告書によると、1か月のカフェテリアポイントは約5000円が平均となっており、年間であれば1人あたり約6万円が平均値とされます。

(参考:日本経済団体連合会「第64回福利厚生費調査結果報告」https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/129_honbun.pdf

従業員数×6万円のコストは年間でかかるという単純計算にはなりますが、導入するかどうかの参考にはなるのではないでしょうか。

 

ポイント消費で不満がでることも

付与されたポイントは年度内での使い切りが必要となります。翌年度に持ち越し及び清算ができないため、有効に利用する必要があります。

従業員からすればこのポイントの使い切り利用に不満が出る可能性があるということを認識しておきましょう。

 

課税か非課税かが一律ではない

カフェテリアプランを導入する際、最も注意を払うべきなのが「課税か非課税か」という問題です。福利厚生メニューには課税対象のものと非課税のものとが混在しているため、企業は詳細を把握しておく必要があります。

 

カフェテリアプランのメニューの課税・非課税について押さえておこう!

カフェテリアプランのメニューは、課税と非課税が混在しています。以下に簡単にまとめましたので、確認してください。また、もっと詳細を詳しく知りたい方は、国税庁のホームページにて解説がされていますので、併せてご確認ください。

(参考:国税庁「カフェテリアプランによるポイントの付与を受けた場合

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/03/36.htm

 

福利厚生目的にあわない内容は課税対象

趣味で通うスクールやレジャー目的の個人的な旅費など、福利厚生目的とみなされにくい場合、課税対象となります。

 

全従業員に平等ではない場合

福利厚生の非課税条件は、全従業員に平等であることです。ですので、年齢や役職、雇用体系などにより提供範囲が異なる場合、課税対象となります。

 

常識外の内容および金額の場合

1人あたり数十万円するような社員旅行は、社会通念上、福利厚生として度を超していると判断されるため、課税対象となります。

 

現金支給や換金性がある場合

商品券や食事券など、金銭に換えることができるものは課税対象となります。

 

こういった課税対象にならない内容、すなわち、

 

  • 福利厚生の目的に合致している
  • 全従業員に平等である
  • 常識内の金額である
  • 換金性がない

 

これらが守られていれば非課税となります。

 

また、カフェテリアプランは従業員本人だけでなく、家族も利用できる場合が多いのですが、ここでも課税と非課税とに分かれます。

たとえば人気のカフェテリアプランのメニューである「人間ドッグ」を利用する場合、従業員本人が利用すれば非課税になります。これを家族が利用した場合は課税対象です。

ですので、カフェテリアプランを導入する際は経理業務を想定して社内の仕組みを構築する必要があります。

 

多様化する従業員のニーズに応えるカフェテリアプラン!

働き方や人生そのものに「多様性」が重要視されている昨今、福利厚生も各々のニーズに合わせた内容でなければ魅力的に映りにくくなってきています。企業の魅力、企業ブランドの向上のために、カフェテリアプランの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

弊社では、さまざまな角度から従業員エンゲージメントを高める健康経営についてのご相談を承っております。お気軽にお問合せください。

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