肩こり・足のむくみを明日に持ち越さない!オフィスや自宅でできる簡単セルフマッサージ!

足をマッサージする女性

つらい肩こりや眼精疲労、背中の張りや足のむくみなど、仕事の途中でマッサージに行きたい!と思ったことがある方、多いのではないでしょうか。

とくに、長時間同じ姿勢を保つデスクワークの方は、身体のこりと長いお付き合いになっているはずです。

 

身体のこりは、1か所から全体の疲労感に繋がります。そしてその不調感から仕事のパフォーマンスが落ちたり、疲労度が上がることから慢性的な睡眠の質低下につながったりする恐れもあります。

少しでも身体を楽にしたい!という方に向けて、本日は家ではもちろん、オフィスででもできる簡単で正しいセルフマッサージの方法を、現役のメディカルアロマセラピスト監修の元お伝えいたします。

 

 

セルフマッサージを行うポイント

セルフマッサージはリラックスや疲労回復に効果的ではありますが、間違った方法では揉み返しになったり逆に疲れたりなど、逆効果になることがあります。

セルフマッサージは正しく行えばこそ身体に負担なくこりがほぐれ、揉み返しを招きません。マッサージの方法によっては、「こりやすい身体」になる可能性もあるため、正しいセルフマッサージのポイントを押さえておきましょう。

 

正しいマッサージ圧について

しばし「マッサージは強い圧で痛いくらいが好き!」という方がいます。「効いている」感覚かと思いますが、強い圧のマッサージはそもそも身体に好ましくはありません。

力を入れ過ぎないよう、あくまでも「痛気持ちいい」くらいで留めましょう。

痛みを伴う強い圧のマッサージは、筋肉や組織に損傷を与える可能性があります。筋肉や組織は、適切な刺激と圧であればリラックス効果がありますが、強い刺激が続くと逆効果になり、炎症や損傷を生じることがあるのです。

 また、その「痛み」に慣れてしまうと、今度はさらに強い刺激を求めるようになります。

「そう言っても強くないと感じない…」という方もいることでしょう。

確かにこりすぎていると、筋肉が硬くなりすぎることで押されている圧に反応しにくくなります。

このとき、身体は日ごろの「疲労」からきた身体の痛みを、神経信号が「遮断」している状態であると考えられます。

マッサージの圧を感じないからといって、器具などによって強い圧で押し続けると、筋肉や筋繊維は確実にダメージを受けてしまいます。無理な圧で押すのではなく、少しずつ緩和させることが身体のためなのです。

 

間違った圧であざができてしまったら

 強い圧のセルフマッサージや、器具を使って圧をかけたことで「あざ」ができてしまうことがあります。そういった場合、内出血している状態ですので、まずは患部を冷やすようにしましょう。

氷や冷却パッドを使って冷やし、炎症が引くのを待ちます。もちろん、氷は直接肌に当てるのではなく、タオルで包むかビニール袋に入れるなどして、15分から30分程度冷やすようにしてください。

 

そしてあざができてから数日絶ち、痛みや熱が取れている状態になったら今度は温めて血行を良くしましょう。数日経っても痛みが軽減されないのであれば、医師の診断を受けるようにしてください。

 

食後のマッサージは避ける

食事を摂った直後は消化器官が消化吸収に集中しており、血液循環が胃腸に向かっている状態です。この時に筋肉に刺激を加えると、血液が身体中の筋肉へと分散されてしまい、消化器官への血液供給が妨げられ、消化が阻害される可能性があります。

結果、胃腸の働きが悪くなり、後の不快感や胃もたれを引き起こしかねません。

食後はゆっくりとくつろいで消化を助けることが大切です。

食事後には軽い散歩やリラックスした姿勢で過ごすくらいにしておきましょう。

 

自分で押しにくい場合はプロに任せる

セルフマッサージは、方法さえ知っていればいつでもできる「癒し術」です。しかし、腰をセルフマッサージしようとして、無理な姿勢で肩が凝ったり、肩こりを何とかしようとセルフマッサージして指が痛くなったりと、どうしても「慣れていない」ことで他の身体の部位に出るデメリットもあります。

また、腰や肩、首が痛いからといって、痛みが出ている患部をマッサージすることで、さらに悪化をさせる危険性もあります。

ですので、押しにくい場合や、凝りの度合いがひどい場合は、無理せずにプロを頼るようにしましょう。

プロのマッサージセラピストは、体の構造や筋肉の仕組みについて専門的な知識を持っています。

適切な圧と手技を使って、効果的かつ安全に身体の疲れを取るので、しっかりと癒されることも心身への癒しとなることでしょう。

 

状況別!すぐできるセルフマッサージの解説

では、実際につらい身体の症状をどうやってほぐしていくのか、効果的なセルフマッサージの方法を状況別で解説していきます。どれも器具などは使わず、すぐに簡単に取り入れられる方法ですので、ぜひ試してみてください。 

仕事中に肩が痛く足がむくむ…オフィスでできるセルフマッサージ

長時間座っていたり、あるいは立ち仕事だったり、同じ姿勢が続くと身体は疲弊します。身体の疲れで仕事に集中できない…そんなときこそセルフマッサージでセルフ活性化をしましょう! 

ツボ押しの基本は「押し込み4秒、戻すまでに4秒」という等間隔で行います。慣れるまでは4拍子をカウントしながらおこなってください。

そして、「なぜ肩こりが起こるのか」その原因を知りたい!という方は、ぜひこちらのコラムをお読みください。

肩こりの原因とは?原因を知ってPC作業を楽にする

 

 

【肩こりに】腕のセルフマッサージ

PC作業が多い方は、肩こりのつらさが「手」の酷使からくることがあります。そこで、手と腕の緊張をほぐすセルフマッサージを取り入れましょう。

①右の手の平を上にして真っ直ぐ伸ばします。手の指はリラックスした状態でOKです。

②その状態で、もう左手を下から添えます。このとき、左の親指が右の小指側に来ているはずです。

③そのまま、小指側の手首から肘に向かって、一直線に左手の親指をつかってマッサージしていきます。

④左の手も同様に①~③の手順でマッサージを行います。

 

このセルフマッサージは、普段キーボードをよく使う方におすすめです。また、指のストレッチも合わせて行うと効果的です。

 

<指ストレッチ その1>

①両手を開いた状態で、指の腹と腹を合わせます。このとき、手のひらはくっつけないようにしてください。

②そのまま、手の指だけを押し合わせて、指を反らしていきます。

<指ストレッチ その2>

①まず、左手の人差し指と中指の間に、右手の人差し指から小指までの4指を入れます。

②そのまま、指と指の間を広げるようにしながら右手を軽く握ります。
全ての指、左右ともに同様に行っていきましょう。

 

【肩こりに】肩甲骨のセルフマッサージ

肩こりの代表格、肩甲骨の疲れは、多くの方が悩まされています。肩甲骨周辺の血流をあげてほぐすことで、背中全体の緊張も緩和されます。

 

①肩の上から肩甲骨の上部に指をあてます。このとき、指先で痛くない程度にしっかりと肩甲骨をホールドすることがポイントです。

②そのまま、心地よい圧をかけながら、肩甲骨を小刻みにゆらしていきます。

 

肩甲骨の位置がわからないという方は「背中の腕側」と捉えてください。ただしこれは骨の上をマッサージするので、必ず指で行い、器具などは使わないようにしてください。

 あわせて、肩甲骨周辺の筋肉をゆるめる軽い運動も行っていきましょう。

 

<肩甲骨回し>

①両手の4指(人差し指から小指)を軽く、肩に「ちょこん」と乗せます。

②そのまま、左右の両肘で身体の外側に円を描くように、前から後ろへ回していき、5回、回したら今度は後ろから前に回していきましょう。


このとき、胸の筋肉と、肩甲骨周辺の筋肉が動いているのを意識してみてください。



【首の疲れに】天柱のツボ押し

首・肩・眼精疲労のセルフマッサージには、天柱のツボ押しが効果的です。

天柱は、首の骨の両サイドにあります。まずは後頭部から首にかけて触ってみましょう。髪の生え際のちょうど真ん中にくぼみを見つけてください。その両脇に、太い筋肉があり、その横にまたくぼみがあります。そこが天柱です。

 

①左右の手のひらがそれぞれの耳あたり、4指は側頭、親指が左右の天柱にくるように手の位置をセットします。

②そのまま、頭を持ち上げるように、親指で天柱に圧をかけていきます。

③親指を残したまま、4指を後頭部で組みます。

④そのまま、首の筋肉を親指で挟むように、両方から圧をかけて、首と肩の付け根に向かって移動させながら圧をかけていきます。

首の疲れを感じたとき、頭を真後ろに倒して「ぽき」っと音がするのを「ほぐれた」と思う方がいますが、この方法はよくありません。

 

首の後ろには「突起」があるため、もともと構造として後ろに倒すには適していないのです。首のストレッチをする際は、左右180度、ゆっくりとしたスピードで行うようにしてください。

 

また、首の周辺には頭痛に即効性のあるツボが点在しています。眼精疲労からくる頭痛に悩まされている方は、ぜひこちらのコラムも合わせてお読みください。

 

即効性のある頭痛のツボ!休憩時間のセルフケアにおすすめ


【脚のむくみに】ひざ下たたき

 後程、1日の足のむくみに効果的な、家でできる足のセルフマッサージをご紹介しますが、まずはオフィスでできる簡単な脚のセルフマッサージをお伝えします。

 

①椅子に座った状態で、片足のかかとを椅子にのせて「立膝」にします。

②両手を軽く握り、くるぶしから膝に向かって軽く、リズミカルにたたいていきましょう。


このとき、こぶしは強く握らないことがポイントです。4指はほぼ手のひらに付けず、親指も少し人差し指から離れているくらいリラックスした握り具合が丁度よい具合です。

そのまま、軽く足をたたくと指と指の衝撃で軽く音が出ることがあります。

これは、セラピストの使う「叩打(こうだ)法」といって、リズミカルに叩くことで対象部位をほぐしていく手技の1つです。

 

また、オフィスで立膝をすることが難しいひとは、そのまま軽く「貧乏ゆすり」をするのも足のむくみに効果的です。

長年「行儀が悪い」とされてきた貧乏ゆすりですが、小刻みに脚を動かすことは血流の促進となり、むくみの防止に期待ができます。癖にならない程度で、ぜひ取り入れてみてください。

  

足がむくんで辛い…自宅でできる足のセルフマッサージ

1日中頑張った足、むくんでパンパン…という方も多いことでしょう。次の日に疲れを持ち越さないよう、自宅でできるセルフマッサージを取り入れましょう。

 

むくみ解消:もものセルフマッサージ

太もものセルフマッサージは、腰痛を持っている方や、冷え性の方にもおすすめです。

 

①左右どちらかの足を、膝を曲げて外側に倒します。

②膝曲げて外に倒した足の太ももの付け根に、両手の手のひらを重ねておきます。このとき、肘は軽く曲げた状態になります。

③そのまま、肘を真っすぐにすると、自然と体重がかかり圧がかかります。
※肩や腕に痛みが出ないように気をつけましょう。

 

むくみ解消:ふくらはぎのセルフマッサージ

ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるほど、身体の大切な部位です。強い圧ではなく、心地よい圧でむくみ防止のマッサージをしていきます。

 

①片方の膝を立てて座ります。

②膝の後ろに4指をあてて、圧をかけていきます。

③そのまま4指を足首側に移動させ、同じように足首から膝に向かって移動させながら圧をかけていきましょう。

 

このとき、マッサージオイルを使うこともおすすめです。リラックスモードに入りたい方は、マッサージオイルにアロマの精油を使うと相乗効果が期待できます。

 

マッサージオイルの選び方

マッサージオイルは、高価だから良い、というわけでもありません。用途や肌質、使う頻度によっても選択肢は変わります。

マッサージオイルの選択肢として、プロのセラピスト以外はまず「使う頻度」を基準に選択するのがおすすめです。

というのも、植物由来のオイルは、種類によって「酸化」のスピードが違うため、どれだけ高価であったり、栄養価の高いオイルを購入したとしても、使う頻度が少なければ酸化して終わり、となりかねません。

酸化しにくく使い勝手の良い、代表的なマッサージオイルをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

スイートアーモンドオイル

植物由来のマッサージオイルのなかで最もポピュラーなのがスイートアーモンドオイルです。顔・身体どの部位にも適していて、肌のタイプを選ばない使い勝手のよいオイルです。

スイートアーモンドオイルの特徴として、肌を柔らかくする「エモリエント効果」に優れているとされ、皮膚の炎症を抑える効果があるとされます。

酸化を防ぐビタミンEやオレイン酸を多く含むため、植物由来のオイルのなかでは酸化がしにくいとされます。オイル初心者の方には使い勝手の良いオイルでしょう。

 

ホホバオイル

ホホバという植物の種子から抽出されるホホバオイルは、保湿効果が高く、また殺菌作用に優れていることが特徴として挙げられます。敏感肌の方も使用ができるオイルです。

 また、ホホバオイルは酸化しにくい特徴があります。さらっとした手触りですので、マッサージオイルの粘り気が苦手な方にもおすすめです。

 

ライスブランオイル

ライスブランオイルは、米ぬかから抽出されるオイルでプロのセラピストにも価格とその手触りから人気のオイルです。保湿効果が高く、ビタミンEが豊富で酸化しにくい特徴があります。

髪の毛に使うこともできるため、1本あれば頭の先からつま先までケアできる優れものです。オイル初心者の方にとっては、少し、独特のオイルの香りが気になるかも知れません。香りが気になる場合は、お好きなアロマ精油を混ぜて使うと良いでしょう。

 

ミネラルオイル

ミネラルオイルとは、石油由来のオイルです。こう書くと肌に悪そう、と思われますがそうではありません。石油からさまざまな精製過程を経て不純物を取り除くため、安心して肌に使うことができます。

医療品の軟膏として使われる白色ワセリンは、同様に石油から得た炭化化合物を精製し、不純物を取り除いた半固形状になったものですので、その安全性はご理解頂けたかと思います。

「ベビーオイル」と呼ばれるものはこのミネラルオイルのことで、肌のバリア機能の優れている他、酸化しない特徴があります。

アロマ精油を一緒に使うことはできますが、肌に浸透しないため精油の効能を活かすことは難しいオイルです。

比較的安価ですので、手軽にオイルを楽しみたい方におすすめです。

 

セルフマッサージで疲れを持ち越さない体に!

毎日同じ姿勢や、知らず知らずのうちに溜まってしまったストレスで、身体はSOSを出すことがあります。

 慢性疲労に陥らないために、セルフマッサージを上手く取り入れ、身体をケアしてあげましょう。

それでも疲れが取れない場合は、プロの技でリラックスする時間を持つことがおすすめです。

 

ご自身の体調に耳を傾けながら、健康的な毎日を過ごしていきましょう!

 

大西菜津子
メディカルアロマセラピスト・心理カウンセラー(日本統合医学協会)
セラピストとしての心身の健康とバランスを一番に考え、個々のニーズに合わせたケアを提供。